2005年08月08日

人形の家(イプセン)

小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽造して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラの意を迎えようとするが、人形のように生きるより人間として生きたいと願うノラは三人の子供も捨てて家を出る。

人形の家―三幕 想像力を駆り立てる簡潔な表現に惹かれて戯曲ばかり読んでいた時期がある。まだ20歳ぐらいだった。その頃に本書を読んだことがあり、女性の自立がテーマだと聞いていたので、読後感はへぇという程度だった。
その後、幾度かの恋愛を経て結婚し、様々な経験を積んでから再読すると、別の観点からの感想を持ってしまう。

夫ヘルメルは、一時の激情からノラをののしったことにより、ノラに幻滅されて捨てられてしまうのだが、結婚して子供が三人いるような年齢になるまで、人間関係で失敗したことはなかったのだろうか。

身内や部下が失敗したことを言ってきたときに、口汚く罵っても問題が解決することはない。感情にまかせて怒ったところで自分がイヤになるだけだ。
落ち度があることは本人が一番よく知っている。さらに追い打ちをかけることで統制するやり方は好きじゃない。
目をつむり、ゆっくりと息をして、口元に笑みを浮かべよう。
そして解決に向けて調整し、指示を与えた後、報告してきた勇気をほめよう。
時には激情が湧き上がる時はあるけど、僕はそういう対応する人の方が好きだし、自分でそういう対応ができた時は嬉しい。できれば常にそういった穏やかな態度を取りたいと願う。

人はそう簡単に変われるものではないけれど、変われる可能性を持っている以上、自分がなりたいと思ったように変わっていくことはできると思う。そしてその自分の可能性を信じたいと願う。

投稿者 isi : 2005年08月08日 23:31 | トラックバック
コメント

感想を読んで、私もそうだよなと思いました。
変えられないのは、過去と他人
変えられるのは、  自分と未来
いつもそう想うようにしています。
自分がなりたいように変わっていかなければ
いけないのだと言い聞かせています。
でも感情をセーブするのは、時には寂しい
ものですよね。
変なコメント失礼しました。

Posted by: 白井 : 2005年08月09日 07:07

うーん、深い!!
isi(すげぇ違和感・・・)がこんなことを日頃から
考えているなんて、すごい人だと思う。

自分はダメな方の人間だなぁ。

Posted by: kam : 2005年08月09日 12:13

ある上司から「顧客も会社も、失敗そのものよりもそれをリカバーできるかどうかを評価する。リカバーの内容によっては失敗以前より評価が上がる場合もある。」とよく言われた。
実際にその上司は、まず失敗のリカバーを全力でやってから、その後でこってり教育的指導をするパターンだった。
その人は「よく失敗を報告したな」というようなほめ方は決してしなかったが、社内でも顧客からも信頼感は抜群だった(今も現役なので過去形にすると怒られるけど)。

「やってみて、言って聞かせて、させてみる、褒めてやれねば人は動かじ」(山本五十六は長岡生まれだよね)

Posted by: 阿佐ヶ谷 : 2005年08月09日 23:05

コメントありがとうございます。

> 白井さん
感情のおもむくままに発散していそうに見えて、周囲への細やかな気遣いを欠かさない方もいますね。本当にすごいなと思います。

> kam
や、そんなことないッス。今日もうっかりパワハラまがいのことを口に出してしまい、フォローするタイミングを計ってました。

>阿佐ヶ谷
そういう上司は人望あるでしょうね。ナカナカできるものじゃないです。
山本五十六記念館が長岡駅近くにあります。
最近、56種類の材料を使っていると謳っている「五十六カレー」というレトルトカレーが土産物であるよ。

Posted by: isi : 2005年08月11日 01:16

 きょう本で読んですっごく感動しました。ノルウエーにすっごく優秀な人がいたんだなあ、と思いました。ずっと退屈だった場面が終盤に一気にほとばしるように輝く動物性がみなぎります。女性問題にくくる作品ではなく、人間が人生を見つめなおすための素晴らしい作品であると思います。退屈な部分は全て必然的な伏線だったのです。

Posted by: k : 2006年09月17日 23:54
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